そらいろ

「ある」
「でしょ。隣良いか?」
「どうぞ」


隣に並んだ空も下を見下ろして、ふん、と鼻で笑った。


「下見て何が楽しいわけ?」


オブラートに包もうともしない抜き身の言葉に、むっとした。


「……さあね」
「ほんと変な奴だな、あんた。私は空見てる方が好きだけど。こんな名前だし」
「へぇ……ところで沢口さんは何で俺の顔と名前を知ってるの?」


一応猫被って学校生活を送っている手前、噛み付くわけにもいかず、透は話をそらした。
そらした先の疑問は、一応気になっていたことだ。

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