そらいろ

良くねぇよ、とうんざりと透は顔を空から背けた。


「だからさ、ここで空を見てたんだ」
「空ねぇ……」
「雨の日も傘さしてさ。面白いよ、空って」


上を仰いだ空の雰囲気が突然女の子らしくなったのを感じ取り、透はふぅん、と頷く。
らしくもなくその雰囲気に動揺したのは、短時間の間とはいえ、一瞬でも空を女子として認識していなかったからだろう。

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