そらいろ

お互い何と無く黙り込んで、空に倣って透も上を仰いでみる。
やっぱり、下を見下ろす方が、透は好きだった。
空は広すぎて、落ち着かない。

ついでに、この空間も今は落ち着かない。


「……帰る」
「唐突だな」
「多分、妹待ってるから」
「あ、なあ、青野」
「なんだよ」

「また、ここ来ないか?」

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