そらいろ
「……痛い」
「良いから食え」
「はーい」
もそもそとパンをかじる瑞姫は朝に弱い。
気が付いたら眠っているのでその度に透が起こしている、主に拳使用で。
「ご馳走様でした」
瑞姫がまだ半分も食べ終わらない内に、透は食卓を立った。
弁当用の巾着に昼食を入れる。
自分の分ではなく、瑞姫の分だ。
基本的に毎日買い弁な瑞姫は、ほぼ毎日翌日の昼食を買うようにしている。
透も買い弁なのだが、瑞姫とは違い朝に買う。
理由はただ単に、瑞姫が朝に弱いから。