そらいろ

教室に入ると、まだ人は少なかった。
これでも電車通学組よりは家を出た時間は遅いのだが、時計はまだ7時半になったばかり。
何をして時間をつぶそうか、と一瞬考えた透の頭に、昨日会った少女のことが浮かぶ。
いなかったらそれまでだ、と何と無く足を屋上に向けた。

いないだろう、という考えは、数分後にあっさりと裏切られることになる。

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