【短編】さくら色。
一人
あたしはこの時ワケあって、実家には帰れないでいた。

それに一人のほうが楽なのも現実だった
でも同時にこの時のあたしはもう限界だった。

お店も長期休暇にしてもらった。

自分を取り戻す事をしなければならなかった。

でもお店を休む事によって、唯一本当の自分で居れる浅見さんにも逢えなくなった。

連絡するにも浅見さんはアナログな人で携帯を持っていなかった。

あたしは半年ほとんど病院に行くだけで何もしないまま過ごした。

気付くのが遅いがあたしはこの時初めて半年何もしないで生活できるくらい働き詰めだった事に気付いた。

そして一人で居る時間を刻々と過ごした
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