【短編】さくら色。
源氏名
お互いなんでも話せる相手。

まだ二回しか逢った事ないのに。

あたしとおじさんは心を通わせた。

そしてあたしから

『お客さんに《お客さん》って呼ぶの何か嫌なんで、名前教えて貰ってもいいですか?』って聞いた

そしたらおじさんは『俺の名前は浅見』って教えてくれた。

だからあたしも

『あたしは惠。だからこれからは《まゆちゃん》じゃなくて惠ちゃんって呼んでください』って言った。

浅見さんと居る時は本当の自分の名前を呼んでほしいと思った。

そして浅見さんの前では

源氏名の《まゆ》は存在しなくなった。
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