キミが教えてくれた
「遅かったなあ、もう待ちくたびれたでえ」

家につくと延びきった先輩がいた

予想通り、南さんもいた

「はい、」
と言って先輩はあたしに手を差し伸べた

「はい?」
あたしは学校であった荒川の時みたいだったから少し吹き出してしまった

荒川と先輩ってどこか似てるんだよなあ
あたしはそう思った


「チョコくれ」

…やっぱり似てる
あたしは笑いをこらえながら先輩と南さんにチロルチョコを三つずつ渡した

先輩は『なんや?』と言わんばかりに不思議そうな顔をしていて


南さんは『ありがとう』と微笑んでくれた
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