キミが教えてくれた


お昼、
朔は普段通りだった
でもあたしの元気がないことに気づいて

俯く

そしてあたしに言う


―え?

意味がわかんないよう…朔って何考えてるの?

「ちょっとトイレ行ってくる」

あたしはトイレから真逆の方向に走った
学校の中庭にきた

真ん中には大きな木がある

ジンクスの場所
この学校の行事の終わりにこの場所にきた二人は結ばれる


「朔の考えてることがわかんない」
…そしてあたしの朔への気持ちもわかんない

『さっきのあれ、冗談だから』
朔が苦笑いして言った

「京香っ」
走ってきて後ろから抱きしめてくれたのは勇翔先輩だった


「体育祭まだ終わってへんけど…大丈夫かな」
先輩が微笑む


いきなりのことにあたしは吃驚した
え…どいうこと?


「京香…俺と付き合ってくれへん?」
先輩は耳元で囁く
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