PM.16:00。
図書館は、図書委員が退屈そうにあくびをしている以外はほとんど人はいなかった。
読書スペースに男女1人ずつ、もしかしたら本棚のほうにもう何人かいるかもしれない。
そんな中、早見君とあたしはそれぞれに本を取り、読書スペースにいる男子生徒のそばに座った。
「お。来たの」
そう言って顔を上げたのは、学年一の優等生、長峰君だ。
優等生らしく眼鏡をかけていて、切れ長の目と落ち着いた雰囲気が彼を“クール”と呼ばせる。
「なんだ、早見も一緒か」
「ひっでぇ。亜子がどうしてもって言うもんだから、付き添い」
「ご苦労なことで」
そして、こんな感じだけど彼らは友人同士だったりもする。