さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
タイトル未編集
気紛れの空と、



雨上がりの庭と、



力一杯叫んだあの日の帰り道。










失うものなんて、



これ以上はないよ。






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*君の声がする*
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優しい気配がして目が覚めた。






あったかい。



ぽかぽかしてて、やわらかい。










またマイケルがベッドに潜り込んできたのだろうと、眠たい頭で自然にそう思った。










ううん、と、身をよじって腕を伸ばす。






肩の隣にあるのだろう、ふわふわの髪の毛をなでてあげようとしたけれど、

私の指はそのまま宙を切った。










あれ?と思って体を起こすと、隣にはマイケルの姿はなくて、



部屋を仕切るオレンジのカーテンの向こう側にも、その気配はなかった。











あぁそうか。



少し早めに学校に行ったんだな。










あったかい気配は、これか。



カーテンの隙間からこぼれる、春の陽気。






朝陽が優しく差し込んできて、私の目を覚ましてくれたんだ――――

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