さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
部屋を分けて1ヵ月もした、ある日の夜。
いつものようにカーテン越しにマイケルと笑い合っている時、何となく私は思い始めてしまった。
こんなカーテン、意味があるのかな、とか
今マイケルはどんな顔をしてるのかな、とか
前のように顔を見て、きちんと笑い合いたいな、なんて。
そんなことを一人でぼんやり考えていたら、
「…カーテン、開けてもいい?」
と、マイケルの静かな声が小さな部屋に響いた。
部屋を分けてから一度も開けられたことのない、オレンジのカーテン。
テレパシーか何かで気持ちが伝わってしまったのかと少し焦ったけれど、
いいよ、と私はすぐに答えた。
カラカラと音を立てて静かにカーテンを引く白い指の後に、
照れたように、少しバツが悪そうに笑いをこらえているマイケルの顔が見えて、
私たちはまた笑ってしまった。