さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
大人になっていくんだな、と思った。
あんなに小さかったマイケルも、少しずつ。
大人になるにつれてお互いの世界はどんどん広がっていって、
きっとこんな風に一緒に過ごせる時間も、やっぱり確実に減っていくのだろう。
“あと少しかもしれないしね”
マイケルの言葉が繰り返し、頭の中に響いて消える。
あとどれくらいの時間を一緒に過ごせるのだろう。
そう考えたら悲しくなった。
マイケルは私の隣で何も言わずに笑っていて、その表情がますます、私の胸をきしませた。
大人になるって、切ないことだ。
きっと、こんなことを考えてしまっていることも、
言いたい言葉をぐっと飲み込んでしまうようになったことも、
大人に近付いてきている、確かな証拠なんだろう。