初雪



他の家の屋根を見ると、もう積もり始めている。


俺はマグカップをテーブルに置き、毛布を持ってきて美緒を後ろから抱きしめるようにして、一緒に毛布にくるませた。


「寒いだろ?」


そう言うと、美緒はキョトンとした顔でこっちを見た。


「え、別に大丈夫だよ?」


「俺は寒い。」


「?」


「……はぁ。」


わかってないな。


美緒って鈍感だから。





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