古城の姫君
 帰還した兵士たちを慰労するため、食堂には3万人の兵士たちが招き入れられ、豪勢な食事がふるまわれました。

 でもスウォードは食堂には行かず、一人で浴室に入って体を洗うと、使用人に自分の部屋に夕食を持ってくるよう言いました。長旅で疲れていたので、一人になりたいと思ったのです。

 自分の部屋に入ると、すでにテーブルの上に料理が並べられています。お皿の上にはステーキとマッシュポテト、それにコーンスープ、サラダ、パン、そしてワイングラスに入れられた水が置かれていました。
 久しぶりの温かい食事です。

 スウォードはそれらを一人で口にしながら、クロークスのことを思いだしていました。
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