古城の姫君
 窓の外には、アプリコット城周辺にある町並が広がっています。

   *

 二人を乗せたトレーラーハウスが、アプリコット城の前い到着しました。
 車から出た二人は、目の前にあるお城を見上げました。

「ずいぶん不気味だな」
 と、クロークスが言いました。

「戦争が終わってからずっとほったらかしでしたからね」
 クロークスの隣にいたジンジャーも同調しました。

「鍵は?」

「ないんですよ。扉を壊して入ったと聞いています」

「……ってことは、今までずっと誰でも入れるようになってたってことだよな」
 少しあきれた様子でクロークスが言いました。
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