古城の姫君
「あれは……、どう考えてもおかしいだろ。なんでこんなときにそんなこと言うんだよ」
 
 クロークスも小声で言い返しました。
 
 その様子を戸惑った顔でカルミアが見ています。

「あの……、もしよかったら、いつでもいいんで、また逢ってくれませんか?」

 初対面なのに、いきなりクロークスはデートに誘いました。
 ジンジャーはあきれて何も言わなくなりました。

 黙って聞いていたカルミアは、少し考えるような顔をすると、

「あさってなら、仕事が終わってから……」
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