古城の姫君
 二人は並んで廊下を歩き、階段のほうへと進んでいきます。

「なんて呼べばいい?」

「カルミアでいいですよ」そう言って、カルミアが微笑みました。

 まだ会ったばかりなのに、もう打ち解けたようです。

 そんな二人を後ろから見ながら、ジンジャーは

(このカルミアという女性、魔法が使えるらしいな。マリーベル王国の中には、ごく一部の人間が、不思議な力を使えると聞いたことがある。まさか本当にいたとは……)
 
 と、心の中で考え、カルミアに鋭い視線を送っていました。
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