古城の姫君
 これはだめだ、となかばあきらめつつも、ジンジャーは言いました。

「王子、あなたには婚約者がいるんです。それなのにほかの女性と仲良くしようとするなんて。ありえないですよ」

 それを聞いたクロークスは不満そうな顔をして、言いました。

「親が勝手に決めた人と結婚するんだぞ。それに俺はあの人に対してなんとも思ってない。そっちのほうがよっぽどありえないだろ!」

 しまいには語気が荒くなりました。
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