古城の姫君
 相手の両親は真剣です。なにしろ王子と結婚できるかもしれないのですから、失敗は許されません。

 ラティスフォリアの宮殿の一室で、クロークスとカモミール、そしてお見合い相手とその両親が向き合いました。

 女性の名前はカンナ・ラフィーネ。
 クロークスと同じ24歳の女性です。

 子供たちが黙っている中、親同士の会話だけが弾みました。
 ふとクロークスがカンナを見ると、視線がほんの一瞬ぶつかりました。でもすぐにカンナが目をそらしました。

 それから1時間くらい経って、親が部屋を出て、クロークスとカンナは二人っきりにさせられました。
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