古城の姫君
 次の日。

 クロークスは目を覚ましました。ジンジャーはまだ眠っています。物音を立てないよう、そうっと起きて、床に足をつけました。

 カルミアはもう起きてるのかな。今なにしてるんだろう。
 そんなことを考えていたら、カルミアの笑顔が頭に浮かび、ため息が出ました。

 数分後にジンジャーも目を覚ましました。
 それから二人分の朝食を作り、クロークスにサンドイッチがふたきれのった皿を手渡すと、いすに腰かけました。

 クロークスはサンドイッチにかじりつきました。ハムとレタスの味が口の中に広がります。

 二人とも無言で食べていましたが、不意にジンジャーが食べるのをやめ、クロークスを見て言いました。

「王子、あしたあの女性に会いに行くつもりですか?」

 その声はいつもと違って、冷たい感じがしました。
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