古城の姫君
彼女の願い
 次の日。

 朝からカルミアに会うのが待ちどおしかったクロークスは、

(早く太陽が沈まないかな)

 と思いながら、トレーラーハウスの中で夜が来るのを待ちました。

 そんなクロークスにジンジャーは言いました。

「あしたラティスフォリアに帰りましょう。
 アプリコット城周辺の町が、今どんな状況なのかわかりましたし」

 ジンジャーもアスター王にある命令をされていました。

 それは、アプリコット城周辺の地域、アプリコット町が今どうなっているかを調べてくる、というものです。治安はどうか、環境はどうか、住んでいる人の様子はどうかなど、食料の買い出しに行った際に調べていました。

 ずいぶん急な話です。クロークスはジンジャーがナインを考えているのかがわかりました。
「カルミアと俺を引き離したいんだろう?」

「そうですよ」
 
 ジンジャーは平然とした顔で言いました。
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