古城の姫君
「10年ぶりに戻ってきたら、お城が残っていてすごく嬉しかった。しかもお城に入れるようになっていたから、中に入ってお掃除したのよ。10年分の汚れを落とすのは大変だったわ」
そのときのことを思いだしているのか、遠くを見るような目をしています。
「クロークスさんに会ったときも掃除していたでしょ。
まさか王子さまとは思わなかったわ。
でもよく考えたら、普通の人は剣なんて持ってないですよね」
そして、すっと笑顔を消して、クロークスに言いました。
「私にはカルミアという、仲のいいメイドの女の子がいました。その子は私にとって、大切な親友でした。
でも、私を逃がすために、自分を犠牲にして、ラティスフォリアの兵士に殺されました。
そのときのことを思いだしているのか、遠くを見るような目をしています。
「クロークスさんに会ったときも掃除していたでしょ。
まさか王子さまとは思わなかったわ。
でもよく考えたら、普通の人は剣なんて持ってないですよね」
そして、すっと笑顔を消して、クロークスに言いました。
「私にはカルミアという、仲のいいメイドの女の子がいました。その子は私にとって、大切な親友でした。
でも、私を逃がすために、自分を犠牲にして、ラティスフォリアの兵士に殺されました。