古城の姫君
「クロークスさん」

 自分の目をまっすぐ見つめていた、リリィの思いのこもった眼差しが、クロークスの脳裏によみがえりました。

「あなたがいつかラティスフォリアの王様になったとき、もう二度と戦争を起こさないと約束してくれませんか。
 こんな悲しいことは、二度と起きてほしくないから」


 戦争のない、平和な国をつくる。

 彼女の願いを叶えてみせる。

 クロークスはそう心に決めました。
< 60 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop