古城の姫君
 トレニア国の国王スウォードから、ラティスフォリアの宮殿に手紙が届きました。

 その手紙にはこう書かれていました。


『今日から7日後に、
 ラティスフォリア国のすべての領地を
 トレニア国にあけわたしていただきたい。
 もしそれができないのなら、
 わが国はラティスフォリアに戦争をしかけます。』


「あけわたさなければ戦争だと……。こんなの脅迫じゃないか!」
 クロークスは怒りました。

 7日後にこの国をあけわたさなければ、8日後にトレニアの兵士たちがラティスフォリアに攻めこんでくるのです。

 それはかつて、クロークスの父親がマリーベル王国に攻撃したのと同じように、不条理で、容赦のないものでした。
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