古城の姫君
「ラティスフォリアの兵士はそんなにヤワじゃないけど、戦争、したくないんでしょ?」
 カンナがクロークスに言いました。

「戦争だけは絶対にしたくない」

 それは、「戦争を二度としない」という、リリィとの約束でした。


 6日間、クロークスは悩み続けました。戦争になれば、トレニアとは互角に戦えるかもしれません。それでも死人やけが人が出ることは避けられません。

(戦争だけはしたくない。でも……、どうすればいいんだ……)

 夜になっても、クロークスは寝ないで考えましたが、いい方法が浮かびません。

 そこに、クロークスの従者でよき理解者でもあるジンジャーが現れ、言いました。

「王様、私にいい考えがあります。戦争を避けられるかもしれません」

「なんだって?! 本当にそんなことができるのか?」

「確実な方法かどうかはわかりませんが、やってみる価値はあると思います」
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