古城の姫君
 それを見たカンナは、クロークスの隣に立ちました。

「自分だけ頑張ろうとしないでよ。あたしもこの国の人間なんだから」

 と、さばさばした口調でカンナが言いました。
 クロークスと初めて会ったときから、この話し方は少しも変わってません。

「ありがとう」

 クロークスにそう言われて、カンナは少し照れくさそうに顔をそむけました。
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