古城の姫君
慌てて家来が自分の剣を取り返そうと両手を伸ばしますが、剣はその手を逃れ、老婆の目の前にカシャンと音を立てて倒れました。
この一部始終を見たクロークスは、リリィと初めて会ったとき、モップを魔法で動かしていた光景を思いだしました。
「ま、今はこの程度のことしかできないけどね」
と、老婆は言いました。
自分の魔力を見せつけた老婆の前に落ちた剣を、家来はばつが悪そうに拾い上げ、鞘に戻しました。
「すごいおばあちゃんね」
カンナは初めて魔法を目の当たりにしたので驚いています。
「おばあさん、僕に力を貸してください」
クロークスが真剣な顔でそう言うと、老婆は返事の代わりににっと笑ってみせました。
この一部始終を見たクロークスは、リリィと初めて会ったとき、モップを魔法で動かしていた光景を思いだしました。
「ま、今はこの程度のことしかできないけどね」
と、老婆は言いました。
自分の魔力を見せつけた老婆の前に落ちた剣を、家来はばつが悪そうに拾い上げ、鞘に戻しました。
「すごいおばあちゃんね」
カンナは初めて魔法を目の当たりにしたので驚いています。
「おばあさん、僕に力を貸してください」
クロークスが真剣な顔でそう言うと、老婆は返事の代わりににっと笑ってみせました。