古城の姫君
 夕方になる前に、宮殿に二人の女性が現れました。

 一人はふくよかな体型の、気の良さそうなおばさん。
 もう一人はまだ若い女性です。
 どちらもどこにでもいる普通の女性に見えますが、ここに来たということは、魔法が使えるということです。

 夜になり、もうこれ以上人は来ないと思われたそのときです。

「国王陛下、連れてきました」

 家来が自分の後ろに女性を一人連れて、大広間に現れました。
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