古城の姫君
 ベゴニア将軍とスウォードを先頭に、馬に乗った兵士たちがラティスフォリアのルピナス宮殿を目指し、3万頭もの馬を走らせていました。地面にひづめがぶつかる音が響き渡っています。

 それを遮るように、前方に人影が見えました。

「なんだあれは」
 面食らったベゴニア将軍は、自分の目を疑いました。

「見てください、国王陛下。たった6人しかいませんよ」

 そこには、4人の女性と、馬に乗った2人の男性がいるだけで、全員鎧すら身につけていません。
 しかし、なぜか6人ともそこから動こうとはせず、ずっとこちらを見続けているのです。
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