古城の姫君
 兵士たちは手も足も出せず、ただ強風にさらされ、一歩も動けません。
 戦いにすらならない状況がいつまでも続くと思われた、そのときでした。


「……ラティスフォリア国王!」


 いきなりスウォードが、風を裂くような大声でさけびました。


「前に出てこい! 一対一で俺と戦え!」

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