古城の姫君
 バン!

 部屋のドアが開き、兵士たちが入ってきました。手には剣を持っていて、よく見ると地がついています。

「……」

 カルミアは無表情のまま、兵士たちを見ています。
 これから殺されようとしているのに、泣きもせず、逃げようともせず、ただ無表情でその場に立ち続けています。

(リリィさま……、貴女だけでも生きてください。どうかご無事で――)

 兵士の一人が前に進み出ると、持っていた剣をかまえ、カルミアに近づきました。
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