さよなら世界

近代的なデザインのビルの中に、あたしの通う××塾がある

「受験勉強は今からでも間に合う!
私達と一緒に楽しく勉強しよう!!」

こんな事が書かれた××塾のチラシが大量に塾のドアに張り付けてある

ふざけるなよ、少なくともあたしはこの場所を楽しいだなんて思ってない


その大量のチラシをくっつけてあるドアをあけたとき、あたしの何ともいえない時間が始まるのだった


…ほら また来た
まぢであいつキモいよな何考えてるか全然わかんねーし
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い



ああ ほら始まった。
これが世間一般でいう、いじめ何だろな。

きっかけは些細な事だった
この塾にはいくつものグループが出来ていて あたしはそのいくつもあるグループから必要とされなかった。それだけ。

自他ともに認める根暗ではあるが、決して友達が居ないわけではない。
交友関係もそれなりだ

リストカットの跡だって長袖で隠してあるから 一度だってバレた事がない。
だから

まさか あたしが標的にされるとは思わなかった。




一呼吸おき、塾の教室に入る。授業はあと10分後だ。それまで講師はこの教室にこない

用意された椅子にすわり 荷物を机の横に置く
もちろん 隣なんて誰も居ないから隣を気にせず荷物を無遠慮に置いても誰 もなにも言わない
いや 正確にはなにも言わない訳じゃないけど。

教室中から聞こえてくるあたしへの言葉
聞こえる風に言ってくるんだから 尚もたちが悪い
「きゃっ」

後ろから、私の座る椅子を蹴られて背中がガツンと揺れる。つい きゃっ
なんて言ってしまった。あたしそんなキャラじゃないのに
後ろを振り向く勇気が出なくて あたしは、きゃっ。の反応以上の事はしなかった

あいつ、きゃっとかキモ。女かよ(笑)

なにを勘違いしているかは知らないが あたしは女として知られてないらしい。
あたしの容姿は、すこし茶色がかかったセミロングで服はキティちゃんが書いてあるスウェットである。
男の子みたいとは言われた事がないのに。

なんだか小学生レベルの言葉だと思った
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