明日ここにいる君へ
しばしポカンとする私達だったが。
「この口かあ、悠仁くんと間接チュウした口はっ!」
「キスさせろ~!」
「…って。ソコ…??!」
一気に標的にされる…私。
「…で?七世たちって何かあるわけ?」
「な、ナイナイ!何にも!」
「んな訳あるか。彼が女子にあーゆーことするの見たことない。」
「そんなの知らないよ。からかわれただけでしょ。」
「そう~?」
「そう!」
冷静になれ……、私。
大きく深呼吸をして、気持ちを整えた所で……。
「大丈夫。七世はもっとこう…、大人っぽい人が好きだから。」
シンの…ひと声。
「そうだなあ…たとえば…、あんな感じ!」
シンが指をさしたのは……。
「…………!!」
常盤くん…!!
しかも、ウチらの会話がつつぬけだったのか…、
目が合った瞬間、彼はぐりんと…目を逸らした。
「え。そうなの?!」
早速食いつく皆さん。
「シンまで、からかうのやめてよね。」
私は努めて冷静にそう言うと……。
「…ごめんごめん、七世に恋バナ浮上したの初めてだったから…つい悪ノリしたっ。」
シンは話を合わせるかのようにして、ペロッと舌を出して…謝った。
ホッとする…自分がいる。
シンがいなかったからって考えるだけで……
ゾッとしてしまったのだ。