明日ここにいる君へ
そうでした。
忘れてました。
…て、ゆーより、記憶から抹消しかけてました。
「………登坂悠仁…。」
「……?なに。」
「今から半径1m以内近づかないで。」
「……?!」
「アレは…私にとっては初めてなんだから…。」
「ん?間接キスのこと?」
「…ん?キス?」
「限定チーズケーキフレーバーの」
「……!そうか、あれ、チーズケーキだ?」
「いや、今ソコ??」
「食べたことある味けど、ドリンクでってイメージないから…わからなかった」
「ヒントあげたのにね。『乳製品』『櫻井ならわかる』って。てか、逆にビックリ。気にしてないんだ?」
「…アンタにとっちゃあ慣れたことで軽い気持ちでしたことかもしれないけど…」
「…ストップ!さすがに俺でも…軽はずみにあんなことしないって」
「…………。は?」
「アンタの『初めて』。その記憶の中に…俺がいる。それって結構…、嬉しかったりもする。」
「……………。」
「謝らないから。でもって、アンタは友達を邪険にできないことわかってるし……、これからは友達として、アンタの『初めて』いっぱい経験させてやる。」
「……そ、それは…!」
「今エロい事考えた?」
「ちが……!」」
「そうじゃなくて。アンタが笑えるようなこと。」
「……え?」
「自然に笑えるようなことを…俺が見つけ出すよ。」
「…………。」
「……そのきっかけが俺だったらいい。だから…、アンタが喜ぶことなら何でもするよ?嫌がることは…もうしない。」
「………。」
「…そのかわり、ひとつだけお願いがある。」
「………。何?」
「他人行儀な態度はもうやめて。」
「…………。」
「シンちゃんとか常盤みたいに…もっと普通に。最近そう…思ってた。」
「…………。」