明日ここにいる君へ

「誤解もするよ、そりゃあ。公衆の面前であんなことするって、悠仁だって焦ったんじゃないの？」


「え……？」



「七世しか知らない悠仁がそこにいた。…あの人こそ、実は誰も知らないような一面があるのかもね。……似た者同士、惹かれ合うってことかな。」



「………。ねえ…、だから、それが誤解だって言ってた……」



「馬鹿じゃん？つーかそれで納得するかっての。」



「ええっ？」



雲行きが…おかしな方向に行ってるけど？



「わざわざ守りにくるあたりがさー、まるわかりだよね。」



「………？え？」



「応援はしないけど、七世に気づいてくれた悠仁のその気持ちに…気づいてやりなよ。」



「……。ごめん、なにを言ってるのかが…全く。」



「………。そうでした。恋愛経験値０でどうしようもないのが七世だったね。ならさ、黙って見守るよ。下手に囃し立てたりしない。その方が…、きっとあっちにとっても都合いいだろうし。」



「ちょっ……」



「ただ。『友達』ならさ、もっと普通にしなよ。私らにも、悠仁にも。言いたいことがあるなら、面と向かって言って？その方がスッキリするし、お互いに直せる部分がわかるでしょう？陰でこそこそされるのは、さすがにムカつくからさ。」



「………ごめん。」



「ウチらはともかくとして、シンにとっては…ショックだったと思うよ？」



「…………！」



「一番仲がいいのに、何も知らされず、おまけに自分の好きな人といつの間にか………なんて、結構キツイんじゃないか？」



「………。」



「今回ばかりは、七世も気をまわせなかったってことだ。その理由を…少し考えれば？その上で、ちゃんとシンに言わないと。わかってもらえないかもよ？」




………。


人には人の考えがあって。

わかって貰おうだなんて微塵にも思ってなかった。


そうやって…過ごしてきたはずだった。



なのに今、


こんなにも感情が揺さぶられて…、


わかって欲しいと願ってしまうのは。




初めて人と繋がっていたいと、そう……感じているってこと。




一緒にいたい、


知りたい、



そんな欲求を持つようになったのは……。




「…………。」