明日ここにいる君へ
「ちょっとトイレ。」
そう言って、席を立った悠仁は……
戻ってくることはなかった。
ちゃっかりと言うべきか、お弁当もポカリも既にそこにはなくて……、
おかげで最後はぽつりと残されて……一人虚しい食事。
周囲のザワつきに…少しだけ苛立って、
食事を終えると同時に…、さっさとホールを出ていった。
教室で待ち構えていたのは、眉を吊り上げた…シンさん。
「………。人を差し置きどこへ行ったかと思えば…二人でヨロシクやっていたみたいじゃない。」
「シンさん、人聞き悪いな。ご飯食べてただけだよ。…てか、悠仁戻ってきた?」
「…来たよ、来た来た。ついでに声を掛けてみましたが、つれなくカバンもってどこかに行きました。」
「……?どこへ?」
「?アンタと一緒にサボるのかと思っていましたが?」
…………。
サボり……?
なぜ?
「………そうだね、一緒にサボっちゃおうかな。」
「……は?」
「…神出鬼没もたいがいにしろっての。……シン、どうやら私も具合悪いらしい。……帰る。」
「……え?ちょっと…、七世?」
「もう『いい格好しい』はやめるわ。」
何かまだ言いた気なシンを一瞥して……
カバンに弁当箱を乱暴に押し込めると。
私は脇見も振らずに……
さっさと教室を出ていった。