明日ここにいる君へ
その日は、朝から靄がかかっていて。
まるで私を嘲笑うかのように……
先行く道を、隠していた。
いつも、悠仁が待つ路地…。
近づいても、近づいても…君の姿は見えなくて。
音すら立てずに、
霧雨が…
徐々に私の仮面を剥がしていった。
「………。悠仁……?」
君を真似て、ブロック塀に寄り掛かって。
待つこと……20分。
遅刻ギリギリの限界まで立ち尽くしていたけれど……、
それでも君は……
来なかった。