明日ここにいる君へ
この日の放課後――…
バスケ部の練習を少しだけ覗いて、私は早々に…体育館を出た。
1度上がった熱は…落ち着く間もなく、悠仁のプレーを見ているだけで……
胸がきゅううっとして、上手く感情を…隠せそうにもなかったから。
決して建前ではなくて。嬉しさが先攻していたことは…事実であったけれど。
悠仁が手紙に気づいた。私からだって、わかってくれた。
彼から借りていたバスケの漫画本。
ハマるにハマったきっかけの名場面。その、1ページに・・・挟めていたのは。
本当は私からだって、気づいて欲しかったから。
直接言う勇気がない私からの、精一杯の・・・メッセージ。
その日・・・顔の紅潮は治まらぬまま、
夕飯は……喉を通らず、
お風呂場で…のぼせそうになって。
これはいよいよまさかの恋煩いか……、と思いきや。
就寝前に脇に挟めた…体温計、それが…
予想外にも、高い数値を記していた。
まさかまさかの…発熱。
「明日には……治ってるよね、きっと。」
タオルケットを頭から被って…
ぎゅうっと目を瞑る。
早く……、明日が来るといい。
明日になれば、また、悠仁に……会えるから。