明日ここにいる君へ
翌朝になっても、結局その熱は…下がらなかった。
制服も着て、準備万端だって時に…
ドクターストップならぬ、ナースストップがかかった。
総合病院の看護師である母が…、イチ早く、私の異変に気づいたのだ。
「昨日から全然ご飯食べれてなかったじゃない。」
だって……、喉が少し痛むから。
「熱は?」
今朝は計ってない。
数値を見たらきっと…気が、滅入りそうになるから。
首を横に振ると…、
彼女は、ふう…、と1つ溜め息をついた。
「………。ウチの病院じゃ紹介状でもないと診察まで時間かかるし、近くの内科医院の予約とっておくから。」
「いいよ、大丈夫。家でゆっくり休むから…。」
「受診しなさい。…あの時みたいに――…。」
「…………?」
あの時……?
お母さんは、眼光を光らせて…あくまでも表情を変えず淡々とした口調で語らう。
瞳は…確かになにかを訴えかけているのに――…、
そこで、言葉は途切れた。
「………学校は?」
せっかく悠仁が戻って来たのに…。
私の頭の中は、自分云々ではなくて…
結局、君で支配されている。
「朝でそれでは…行ってもいいだなんて言えない。」
「………そう…。」
「……学校…、そんなに楽しい?」
「え……?」
「最近のあんた、いい顔してる。」