明日ここにいる君へ
「…………どうしたの?」
「……うん。なあ、七世…。」
「………?」
「俺、七世が…好きだよ。」
「…………はい?いや、うん。ありがと?」
何……?今頃サラっとすごいことを…。
何かの…冗談?
「ちょっと待て。お前今、軽く聞き流したな。顔合わせてたって、意志疎通ってこーにも難しいんだからこっちが素直になんないと…ダメなんだよな。……いーか?最初で最後の告白にするから…よく聞いて。」
「告白って……、…ええ?!」
悠仁は…真剣な眼差しで、寂しそうに…微笑む。
「友達でいいって…思ってた。でも…それじゃあ伝え切れない。……伝わんない。いつか気づいてくれるんじゃないかって思ったけど……、待つのは性に合わなかったらしい。……降参。」
「…………………。」
「七世が、好き。」
悠仁が。
私を……好き…?
「……驚いたって顔してる。」
「……だって…。」
「露骨に態度に出してたつもりだったけどな。」
「………………。」
「本当は。昨日…言おうかと思ってた。なのにいつのまにやら…宏大と仲良くやってるし。」
「……それは……」
「七世が誰を好きでも。気持ちは…変わんない。」
「…………。」
「だから…、勝手だけど明日も会いに来るわ。」
明日、も――…?
「しょーがないじゃん?どんな形であれ、側に居たいって思うんだから。……じゃあ…、お大事に。」
悠仁は、ひとつ笑みを溢して…
私に背を向けた。
私は……君が去っていく背中に。
小さくなっていく後ろ姿に。
「…………私も…好きなのに。……バカ…。」
こっそり呟くので…精一杯だった。
君には…、届かない。
届くことは…なかった。