明日ここにいる君へ




いつもと…同じ朝。


いつもと同じように、日記にペンを走らせて。
それから…身支度を整えた。



7月8日、月曜日――…




今日は非番のお母さんが、朝食を作る傍らで…

ただ、ついてるだけのテレビから、今日は真夏日だと告げる声が、耳に届いた。






お母さんは…余り、人としゃべるタイプではない。

感情の起伏もさほどなく、端から見れば…ドライな人間に見えるだろう。



そんな母親と、私。


二人きり、テーブルに向かい合わせに座って…


黙々と、朝食を摂る。



これが、いつもの光景…。



私は…母親に似ているじゃあないかって、たまに思う。


無言の空気は決して苦痛でもなく…



物心ついた時から、ずっとこうして育って来たのだから、当たり前のように…過ごしてきた。



父親は、いない。

顔も…知らない。


私が1歳そこらで、離婚したのだと…
高校受験を終えた中3の冬に、聞かされた。



私の話し相手は……いつも、おばあちゃんだった。




静かな…朝。


けれど、射し込む太陽の光が、余りにも…熱いから。


珍しく私から、話の口火を切った。











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