明日ここにいる君へ



人には……

歩んできたそれぞれの人生がある。


朝顔が咲くのを楽しみにしていた…おじいちゃん。

願い叶わず、
それでも…その人生を称えるかのように、立派に咲き誇こる……朝顔。






私は…公園へと戻って。


そっと……両手を会わせた。




大事にしていた花を…摘んでしまったことへの懺悔。




それから。自身の右頬を…思いっきり平手で打ってやった。



当たり前のことだけど…、その頬は、じんじんと痛んだ。






知りもしないのに、知ろうともしなかった癖に、人の人生を軽視したことに対する…戒めだ。







後悔ばかりが…募る。






ただ……、






空には雲ひとつなく、沢山の光が…その花を輝かせていることだけが…唯一の救いだった。




私の人生は……後悔だらけだ。










ずっと…道を歩き進めて。



目印の電柱を越えたその先に。



あの人が……待っていた。









君の頭上には……うっすらと、まだ、グレーの影。




あの、朝顔のように……

冬を越して、また…春が訪れ、それが…ずっとずっと続いて行ければいい。



希望をもって…

信じて、君と過ごして行きたい。










私は……



君に駆け寄って。



思いっきり…抱きついていた。











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