明日ここにいる君へ




昼休みになっても、悠仁は声すら掛けて来なくて…。


不思議がるシンをはじめ、女の子達と…ご飯を食べた。



ガールズトークは……やっぱり苦手。だけど、ちゃんと…話は、耳に入って来た。



気になる悠仁は…、本日弁当持参。



「悠仁様、卵焼きが好きなのかねー?」


シンの戯言で、一人…優越感に浸っていた。



君は…卵焼きが、好き。

弁当には必ず…入れて来る。



「七世の弁当も美味しそう。」



「…………。……今日はお母さんの弁当。」


「どーりでお握りが形になってる訳だー?」


「私、料理は全然。」



意外だ、と、みんな口を揃えてそう言った。


「七世はなんでも完璧だと思ってた!」


それは、そう、見せかけていたから。



勉強は得意。

体育は苦手だけど、真面目にする。

料理は…からっきし。




丸裸になることは…そうも恥ずかしいことではなかった。


自分をさらけ出したって、誰が得するでも損するでもない。

自分は…自分。


わかってもらおうだなんて思ってはないのに…知ってもらうと、会話が…次から次へと続いていく。


相手の思惑も…少し見えて来る。



苦手だけれど、そういうのも…悪くはない。











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