明日ここにいる君へ
君の手から…、スマートホンが滑り落ちて。
みるみるうちに……目に涙が溜まっていく。
それでも、口をきゅっと…結んで。
目元を腕で隠す君は……
きっと、自分で自分を取り繕うことに…慣れてしまっているんだろう。
ギリギリのところまで…我慢して。
感情を…押し殺して。
「悠仁。」
背伸びして…抱き締めた身体に。
お互いの…肩に。
溢れた落ちた雫が…じんわりと、温かく…沁みていった。
フローリングに落ちた、スマホ。
真っ暗な画面がパッとあかりを灯し…あらわれたのは
私との、メッセージ画面。ちゃんと…既読がついていた。
どんなに…泣いても。
ナナはもう…いない。
還っては――…来ない。
どんなに…後悔しても。
それでも、私たちは…明日を迎える。
明日を…、生きなければならない。