明日ここにいる君へ
「…………。せつない…ね。」
口癖さえ……
宙に浮いて。
押し寄せて来るのは……
不安。
恐怖。
なぜなら、これからの99日間……。
その、どこかで。
彼は死に直面する。
それを知る私が、平然として彼の前で普通を装うことはできるのか?
もし、目の前で…、なんらかの事故が起こるというのなら。
咄嗟に助けることもできるかもしれない。
でも……
その瞬間を見逃したら……?
登坂悠仁はただのクラスメイト。
されど、クラスメイト。
遠いようでいて……
ものすごく近くにいる存在。
これまで身近に死を……感じたことなどなかった。
せまりくる足音。
カウントダウンが始まった今……。
もう、逃れることはできない。