明日ここにいる君へ
「つか、宏大。今日帰りお前ん家行っていい?」
「は?今の流れで突然ナニ?」
「お前んちのぽん太に癒されたい。」
「…切り替え…早ッ!」
「落ち込んでる時間がもったいねーもん。」
「さいですか…。」
他の男子生徒らが彼等に絡んで…、その会話の内容から、『ぽん太』は常盤宅のワンコであることがわかった。
彼にとって…、近所にいた「犬」は、癒しの存在だったのかもしれないな。
「………。変な人…。」
『時間が勿体ない』。
君が言ったその言葉は…
まるでそのまま、君の人生に当て嵌まる。
生き急ぐ訳ではないのだろうけど、
ごく自然に……
感情赴くままに。
そうやって……生きる人なんだ。
私とは…正反対。
損得だとか、計算だとか。そんなこと考えなくたって……。
人は……、君に魅了されていく。
気の強そうなルックスとは裏腹。素直で、純粋で、真っ直ぐ……。
それが大きなギャップを生んで……、
君に……憧れを抱いてしまうのだろう。
後悔しない生き方を、彼は知っている。
ならば……、
君は最期のその時も。
幸せだった。と、笑って…受け入れるのかな。