明日ここにいる君へ
彼女が自分の死を知ったのは、
私のせいだった。
当時、私は5歳……。
初めて見た黒い影。
その相手は……
祖母だった。
疑問を抱かないはずもなく……、
純真無垢な少女は、きっと悪びれなく言ってしまったに違いない。
その時、その瞬間の彼女の顔を……
一生忘れなどしない。
一瞬だけ、強張った顔……。
そしてその直後、
何とも穏やかな表情で……
笑っていたことを。
あの時には既に……
祖母の『死』を見る能力は……消滅していた。
皮肉にも、死の宣告をした孫……、つまり、私へと。
引き継がれていたのだ。