虹色センテンス
そういえば…元々雄太は来たくなかったらしい。
だって学校で…

「明日は何年かに一度の獅子座流星群が見られる日らしいです」

明日は流星群に夏祭りか…
先生が教卓の前で1枚の紙を持って話している。

「ねえ、雄太」

「何?」

話しかけると、雄太は前髪を額にあげて私の方に向く。

「流星群だって」

「それがどうしたって言うんだよー」

「いや、何となく見たいなーって」

「見るとしたら1人で見ればいいじゃん」

そう言うと、雄太は机に突っ伏してしまった。

「え、雄太?一緒に見よう?」

ゆさゆさと体を揺さ振ってみるものの、返事はなく。

「……雄太の馬鹿っ」




休み時間になり、桜と真奈美ちゃんと話していた。
嬉しそうな桜に対し、私はめちゃくちゃ不機嫌だった。

「儚空、どうかしたの?」

「雄太が流星群一緒に見に行ってくれないって」

真奈美ちゃんの質問に多少ぶっきらぼうに答えた。

「真奈美ちゃんか桜一緒に見に行かない?」

「ごめん、今日は無理なの」

「私も…」

「そっか…」

その言葉にがっくりと肩を落とす。

「そうだ、雄太がダメなら井上を誘えばいいんだ!」

ガタッと席から立ち上がり、そのまま雄太と井上のいる所へ行く。
井上は相変わらず雄太と仲が良かった。
< 15 / 45 >

この作品をシェア

pagetop