虹色センテンス
「ねぇ、お取り込み中悪いんだけど、井上って今日の夜暇?」
「暇だけど何か用か?」
「一緒に流星群「儚空!!」
私の言葉は最後まで言い終わらないうちに、雄太の言葉によって妨げられた。
少しドスの利いた、いつもより低い声。
それが恐くて一瞬身が縮こまる。その時の雄太の顔は何だか怖かった。
「…いいもん。一人で見に行くから」
すぐにそこから立ち去ろうとすると、不意に雄太が手招きをした。
「7時」
「え?」
「7時に学校。来なかったらシめる」
ぼそりと呟いたような声だったけど、はっきりと私の耳まで伝わった。
「っ、ありがと!雄太!」
「暑いから引っ付くんじゃねェよ!!」
嬉しくて思いっきりに雄太にお礼を言うと、周りにいたクラスメイトがこっちに注目していた。
恥ずかしい気もするけど、いいや!雄太がいいって言ってくれたんだし。